計算式
報酬・料金の源泉徴収税額は、支払う金額(A)によって次のとおりです(国税庁 タックスアンサー No.2795)。
| 支払金額(A) | 源泉徴収税額 |
|---|---|
| 100万円以下 | A × 10.21% |
| 100万円を超える | (A − 100万円)× 20.42% + 102,100円 |
1円未満の端数は切り捨てます。10.21% は、所得税10%と、所得税額に2.1%を掛ける復興特別所得税を合わせた率です。同じページでは、令和9年分以後は所得税・防衛特別所得税・復興特別所得税を合わせて源泉徴収すると書かれていますが、計算式は上の表のままです。
例: 報酬150万円なら(150万円 − 100万円)× 20.42% + 102,100円 = 204,200円 です(国税庁の具体例)。
源泉徴収は税込と税抜のどちらにかけるか
請求書などで報酬の額と消費税の額をはっきり分けて書いていれば、報酬の額(税抜)だけにかけてよいとされています。分けて書いていなければ、原則どおり消費税を含めた金額にかけます。インボイス制度が始まった後も、この扱いは変わっていません(No.2792)。
税抜10万円の報酬なら、次のように差が出ます。
| 源泉徴収の対象 | 税抜 | 税込 |
|---|---|---|
| 請求額(税込) | 110,000円 | 110,000円 |
| 源泉徴収税額 | 10,210円 | 11,231円 |
| 振込額(手取り) | 99,790円 | 98,769円 |
手取り(振込額)から請求額を逆算する
「振込額を10万円にしたい」のように手取りで決めている場合は、上のツールで「手取りから請求額を逆算する」を選びます。国税庁は、手取りで契約している場合の計算方法として「手取額 ÷ 0.8979 = 支払金額」(手取りが897,900円を超える場合は「(手取額 − 102,100)÷ 0.7958」)を示しています(手取契約の場合の源泉徴収税額の計算方法)。このツールの逆算は、手取りがその額以上になる最も小さい請求額を探す方法です。消費税を「上乗せしない」にすると、国税庁の例(手取り10万円 → 支払金額111,370円・源泉徴収税額11,370円)と同じ結果になります。消費税を上乗せする場合は、その分も含めて逆算します。
1円未満を切り捨てる関係で、手取りがちょうどその額になる請求額が無いことがあります。その時は、最も近い額と、その時の手取りを表示します。
源泉徴収の対象になる報酬
個人に支払う報酬・料金のうち、源泉徴収が必要なものは所得税法204条1項に並んでいます。身近なものは次のとおりです。
- 原稿料・さし絵・作曲・デザインの報酬、講演料など(1号)
- 弁護士・税理士・社会保険労務士・建築士などの業務の報酬(2号)
- モデル・外交員などの報酬(4号)
- 映画・演劇・テレビなどの出演や演出の報酬(5号)
このツールの計算式(10.21%・20.42%)は、これらのうち所得税法205条1号の計算のものに使えます。司法書士・土地家屋調査士・海事代理士の報酬、外交員の報酬、ホステス等の報酬などは、一定額を差し引いてから税率を掛けるため(同条2号)、このツールでは計算できません。
源泉徴収をするのは支払う側
源泉徴収は、報酬を支払う側が差し引いて国に納めます。原稿料や講演料などは、支払った月の翌月10日までに納めます(No.2795)。
支払う側が個人で、給与を支払っていない(給与について源泉徴収をする義務がない)場合は、1号〜5号・7号・8号の報酬について源泉徴収をしません(所得税法204条2項2号)。一般の消費者や、従業員のいない個人事業主に請求する時は、源泉徴収を差し引かない請求書になるのが通常です。
源泉徴収されて入金が請求額より少ない時は、入金額が合わない理由のチェック で、差額が源泉徴収税額と合うかを確かめられます。
交通費・宿泊費の扱い
謝礼・取材費・車代などの名目でも、中身が報酬と同じなら源泉徴収の対象です。支払う側が交通機関やホテルへ直接払った、通常必要な範囲の交通費・宿泊費は、報酬に含めなくてよいとされています(No.2792)。報酬と一緒に受け取る旅費は、原則として報酬に含まれます(No.2795)。
スプレッドシートの計算式
GoogleスプレッドシートやExcel(エクセル)で計算する時は、A2に源泉徴収の対象額(円)を入れて、次の式を使えます。1円未満は ROUNDDOWN で切り捨てます。
=IF(A2<=1000000, ROUNDDOWN(A2*10.21%, 0), ROUNDDOWN((A2-1000000)*20.42%, 0)+102100)
この式の結果は、1円から300万円までのすべての金額で、このツールの計算と同じになることを確かめています。
確かめていること
- 計算は、国税庁 No.2795 の式と具体例(150万円 → 204,200円)、手取契約の例(手取り10万円 → 111,370円)、100万円ちょうど・100万1円などの境目を、テストで毎回確かめています
- 条文と国税庁のページは 2026年10月4日に確認しました(国税庁のページは令和8年4月1日現在の法令に基づくもの)